[ドバイ 8日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が、掘削子会社ADNOCドリリングをアブダビ証券取引所で新規株式公開(IPO)させることを検討していることが分かった。事情に詳しい3人の関係筋が明らかにした。

ADNOCによると、同掘削会社は中東で最大規模という。

関係筋によると、ADNOCはIPOについて、複数の銀行と協議。2人の関係筋は、ADNOCが年内のIPO実現を目指していると説明した。協議は初期段階だが、IPOの規模は10億ドルを超える見通しだと述べた。ADNOCはコメントを控えている。

今回のIPO計画が進展すれば、ADNOCによるアブダビ証券取引所での子会社上場は2度目となる。ADNOCは2017年末に、ADNOCディストリビューションを上場し、31億ディルハム(8億4400万ドル)の資金を調達した。

ADNOCドリリングのウェブサイトによると、同社は陸上リグ75基、沖合ジャッキアップ・リグ20基、油井掘削リグ11基など大型リグを所有しており、運営も手掛けている。

掘削事業は、ADNOCの上流部門にとって重要事業であり、生産目標達成の手助けになる。

ADNOCのジャベル最高経営責任者(CEO)は昨年6月、4年前に事業転換戦略に着手したと説明。より速やかに市場変化に順応できるようになったとし、今後も戦略投資家と連携し、外国資本を呼び込み、資源からもたらされる価値を最大化していくと明らかにしていた。