[東京 6日 ロイター] -

前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比226円15銭安の2万9863円10銭となり、4日ぶりに反落した。寄り付きは5日の米国株式市場が上昇した流れを引き継ぎ、続伸スタートとなったものの、その後軟化。3万円を下回り、一時278円24銭安の2万9811円01銭まで下げ幅を拡大した。特段材料はないことから、市場では「3万円を回復したところでいったん利益確定売りを急いでいるようだ」(国内証券)との見方が聞かれた。

イースター明け後の米国株式市場は上昇し、ダウ工業株30種とS&P総合500種が終値で最高値を更新した。好調な内容の経済指標が投資家心理を押し上げたほか、最近の国債売りが一服し米10年債利回りが低下したことでインフレ懸念が和らいだ。 米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合指数は統計開始以来の高水準を記録。2日に発表された3月の米雇用統計でも、非農業部門雇用者数が前月比91万6000人増と、市場予想を上回っていた。

市場では「4月入りしてから底堅かったこともあり、いったん調整の動きとなっている。これまで株価は期待先行で上昇していたが、これからは業績相場。マーケットの小売決算の反応を見る限り、市場の目はやや厳しめ。今後企業決算が本格化するにつれ、日経平均の上値は重くなる可能性がある」(SBI証券の投資調査部長、鈴木英之氏)との声が聞かれた。

TOPIXは0.69%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0980億8800万円と細っている。東証33業種では、石油・石炭製品、海運株、鉱業、銀行業、空運業などの30業種が値下がり。証券業、その他製品、食料品の3業種は値上がりした。

個別では、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどの値がさ株が総じて軟調。利益確定売りに押される展開となった。

そのほか、INPEX、石油資源開発、コスモエネルギーホールディングスなどの石油関連株も総じて軟調。5日の取引で原油先物相場が4%超の下落となったことが嫌気されている。

東証1部の騰落数は、値上がり537銘柄に対し、値下がりが1554銘柄、変わらずが99銘柄だった。