[エルサレム 6日 ロイター] - イスラエルのリブリン大統領は6日、新政権を樹立させるため首相候補者を指名する。先の総選挙では、与野党勢力がいずれも過半数を確保できず大統領は各政党との協議を重ねてきた。その結果、最も多くの支持を集めているネタニヤフ首相に組閣を指示するとみられる。

一方、リブリン大統領は5日、候補者決定において「倫理面での配慮」が必要になるかもしれないと述べている。これは明らかにネタニヤフ氏に関する3つの汚職事件に言及したもの。

大統領報道官は、大統領は各党との一連の協議を終えたとし、6日に候補者を発表すると説明した。

定数120議席の国会でネタニヤフ氏は52人の支持を集めている。反ネタニヤフ勢力で中道「イェシュアティド」を率いるラピド元財務相は45人、極右「イエミナ」のベネット元国防相は7人、それぞれ支持を得ている。

合計16議席を獲得した3つの政党は、大統領との会談で候補者支持を辞退すると表明した。

ネタニヤフ氏は、ベネット氏と、リクードを離党して右派新党「新たな未来」を設立したサール元内相に連立を呼び掛けた。

ベネット氏は、ネタニヤフ氏との協力について明言を避けている。サール氏は、ネタニヤフ氏の汚職裁判を理由に同氏の政権で働くことはないと述べているが、ラピド氏を支持するまでには至っていない。

ラピド氏は5日、ベネット氏に連立を提案したと明らかにした。ベネット氏がまず首相に就任し、その後ラピド氏が首相職を引き継ぐことを提案したという。

ラピド氏はテレビ演説で「イスラエル国民は、指導者たちが協力できるということを知る必要がある」と述べた。

ベネット氏はラピド氏の提案についてコメントしていない。政治専門家は、ラピド氏とベネット氏が連立で合意すれば、ベネット氏と同じく保守派のサール氏がベネット氏の首相就任を見込み連立に加わる可能性があると指摘する。