[アンマン 5日 ロイター] - ヨルダン国王の異母弟で前皇太子のハムザ王子は5日、アブドラ国王に忠誠を誓う文書に署名した。国家の不安定化を試みたとして当局の捜査を受けており、王子は自らが軟禁下に置かれたと主張していたが、王族が対立解消のために仲裁に入った。

王宮府が発表した文書でハムザ王子は「国王の手中に身を置く」とし、憲法順守も確約した。王子は署名に先立ち、仲裁役を務めたハッサン王子(元皇太子)など王室メンバーと協議を開いた。

ヨルダン軍は3日、ハムザ王子に対し「治安と安定」を脅かす行為をやめるよう警告。王子はその後、自宅で軟禁されていると明らかにしていた。

当局は4日、ハムザ王子が外国勢力とつながりのある者たちと連携して国家を不安定にする計画を企てたと主張し、王子がしばらく前から捜査を受けていると明らかにしていた。

5日に公開された音声録画でハムザ王子は、いかなる活動も禁じられたが命令には従わないと述べていた。友人らに送られたこの録音で「外出やツイッターでの発言、家族以外との接触を禁じられたが、それには無論、従わない」と述べている。

ヨルダン政府がなぜ今、ハムザ王子への締め付けを強めたのかは不明。王子は最近、国王や政府に批判的な部族の集会に参加することが多くなっていた。

アブドラ国王は過去にハムザ王子を皇太子に任命したが2004年に解任した。

ハムザ王子は3日に弁護士を通じてBBCへ送ったビデオメッセージで、ヨルダンの指導者は腐敗していると非難していた。

*忠誠を誓う文書の情報などを追加しました