「週刊文春」はなぜ五輪組織委員会の「発売中止、回収」要求を拒否するのか――「週刊文春」編集長よりご説明します
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注目のコメント
著作権法を勘違いしている人が多いが、時事の報道目的や引用目的の複製は許諾なしで可能。開閉会式の企画書をまるごと「五輪の企画集」みたいな本にして売るのはダメだが、報道のために部分的に引用するのはOKのはず。著作者の許諾を得ないと報道や批評が一切できないとすれば、民主的な著述活動は成立しない。
組織委が主張するような著作権万能説が通るなら、記事の無断複製・引用をしまくっているNewsPicksのようなサービスは違法になる。著作者のなかにはNewsPicksを苦々しく思っている人も少なくないようだが、著作権法で認められているのだから仕方ない。
ただし、どこまでが報道、引用の範疇かというのは曖昧で、具体的には文春と組織委が法廷で争うことになるだろう。雑誌にとって組織委からの回収要求は宣戦布告に近い。丸く収まることはなく全面戦争になりそう。法廷だけではなく、誌面でも文春砲で反撃してくると思う。他のところにも書きましたが、警察・検察の捜査情報など、行政機関の秘匿性の高い情報はしょっちゅう漏れている。一義的には公務員側の守秘義務違反に問われると思うが殆どのケースで調査されない。これは行政組織とメディアとの間の協力(共犯?)関係にあるため。公判前の一方的な情報発信は公平ではなく、個人的にはこうした情報漏洩、報道の方に慎重であってほしいと思う。
今回のように世間の関心の高い話題についての取材、報道すら守られないのであれば、原理的には新聞報道など毎日差し止めできてしまう。(しかし、情報源の組織が暗黙の了解で書かせている場合、差し止め要求されないが)
いずれにせよ、法的にはまずは守秘義務違反が問題になり、取材の自由の観点から、報道したメディアに責任を問うのは難しいのではないでしょうか。過去には取材の手法が問題になりー唆したー有罪になったケースはありますが。
守秘義務違反で情報提供者の追及もしていくようですが、法的責任はともかく道義的にどうでしょうか。形式的には異なりますが、内部通報者探し、報復ともとれる問題が日本郵便でありましたね。実質的には近いものを感じます。