[北京 30日 ロイター] - 自動車技術のスタートアップ企業ECARXは、安謀中国(アーム・チャイナ)との合弁会社を通じて、早ければ来年にも7ナノメートル(nm)チップを供給する計画だ。同社の沈子瑜最高経営責任者(CEO)がロイターに明らかにした。

ECARXは、沈子瑜CEOと浙江吉利集団の李書福会長が2016年に設立。自動車向けチップや高精細地図、スマートカーに使われる技術を手掛ける。

米ゼネラル・モーターズ(GM)の元幹部でもある沈氏はロイターのインタビューで、安謀中国との合弁会社Siengineが来年末か2023年初めにこの新たなチップ製品の供給を開始すると述べた。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が生産を手掛けるという。

7nmプロセスを用いたチップは比較的処理能力が高い。米クアルコムなども、7nmやそれを上回る高性能チップの生産に取り組んでいる。

沈CEOは、新チップについて、安謀中国のチップデザインの知的財産を使用し、スマートカーのソフトウエア向けに生産されるとした。

ECARXは過去数カ月に中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ)や米サスケハナ・インターナショナル・グループなどから約4億ドルを調達した。

沈CEOは新規株式公開(IPO)の可能性について、内部で協議したことはあるが、現時点で計画していないと述べた。

ECARXはこれまでに評価額が20億ドルを上回ったと明らかにしている。