[カイロ 24日 ロイター] - 世界の海上輸送の要衝であるエジプトのスエズ運河で23日、大型コンテナ船が座礁し、約1日半にわたり運河をふさぎ、他の船舶が通航できない状態となっている。

しかし、中東地域の海運事業者によると、24日時点で同船の一部が浮き始めており、運河の遮断が近く解消される可能性がある。

スエズ運河当局によると、座礁したのは全長400メートルの「エバーギブン」で、強風と砂嵐によって操舵不能に陥ったことが原因とみられる。乗組員に負傷者は出ていないほか、海洋汚染につながる損傷もないという。

エバーギブンは台湾の長栄海運(エバーグリーン・マリン)がリースし、べルンハルト・シュルテ・シップマネージメント(BSM)が技術管理を行っている。

関係筋によると、現時点でエバーギブンの北方には少なくとも30隻、南方には3隻の船舶が通航を待っているほか、運河の南・北側入り口近辺でも数十隻の船舶が進入待ちとなっているもよう。

また、石油分析会社の情報では、約1300万バレルの石油を積載したタンカー10隻の運航に影響が及ぶ恐れがある。

国際物流に混乱を来すとの懸念から、原油先物相場は2%超上昇した。

スエズ運河は欧州とアジアを結ぶ最短航路で、2000年には約1万9000隻(1日当たり51.5隻)が通過した。