[ロンドン 22日 ロイター] - 英銀バークレイズは、プライベートバンキング部門をフランスとイタリアにも拡大した。同行は英国の欧州連合(EU)離脱を受け、欧州ウェルス事業の拡大を目指している。

バークレイズは22日、フランスとイタリアのプライベートバンキング事業の責任者に、それぞれの国の投資銀行部門のベルナール・コルノー氏とカルロ・バロニオ氏を指名した。ダブリンに新設された欧州の拠点が両氏を支援する。他の欧州金融機関と同様、バークレイズもロンドンを拠点とした業務展開からより全欧州的なモデルへとシフトしつつある。

事業内容は、1億ドル程度の投資可能資産を保有する超富裕層や、富裕な家族や個人の資産運用業務。

バークレイズはプライベートバンキング部門の利益や受託運用資産について公表していない。この分野は欧州の競合も強化しており、熾烈な競争にさらされている。

プライベートバンキング部門のジャン・クリストフ・ジェラール最高経営責任者(CEO)はロイターに、「新型コロナウイルス危機にもかかわらず、受託運用資産は好調な伸びを示し続けている」と説明。「欧州の富裕顧客市場が世界に占める割合は約20%と、米国に次ぐ規模。フランス、イタリアなどでは活発な資産形成の動きが見られ、市場シェア拡大の好機があるとみている」と述べた。

また「ドイツなど、法人・投資銀行を通じて既存の関係が強化できる他の欧州諸国も検討している」と述べた。