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コメント引用して頂きました。

在庫コストと取引停止の社会コストが極端に高い電力という財は、権限ある全体の責任者不在の状態で、経済原理だけで市場設計するのは技術的に無理があると思います。

記事では需給逼迫を入り口にして電力問題を論評していますが、今回の事象は従来の需給逼迫とは異なりLNGの燃料不足問題だったので、逼迫は発電所ではなくLNGのタンク内で起きていました。

それが、関係者の中で温度差があった原因です。

だからといって、節電が必要だった事には変わりありません。節電要請を政府がさせず「効率的な利用」とだけいい、電事連が対抗してプレスリリースとタイトルにのみ「節電」の文字を入れるという異常事態になりました。

停電させまいとする電力会社の「矜持」に頭が下がる一方で、「矜持にだけ頼ってていいのか」という疑問は素朴に感じる所だとは思いますが、一方で自由化とはそうした「矜持」ではなく経済的なインセンティブでシステムの安定を図るもので、「矜持」が抑制されるように仕組みができています。

つまり、「矜持」と自由化はトレードオフの関係にあるとも言えます。

責任者の「矜持」に頼らず、責任者不在でも市場で安定化を目指すのが自由化だとすれば、「矜持」が失われていく事は必然かつ望ましい事として評価しなければなりませんが、果たして電力を市場にどこまで任せて良いのか、基幹インフラ事業者にどこまで「矜持」を求めるべきなのか、という点については、定量評価が難しいので、政治的判断が含まれます。

現在の議論はどうもそこから逃げている様な気がしてなりません。