激務のゴールドマン新人バンカーら、勤務は週80時間を上限にと訴え
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顧客に信頼される仕事をするにはアナリストの手間暇がかかりますし、そうやって「念には念を」のプロフェッショナリズムが育つというのが現実ではあります。実際、数字が間違っている資料を平気で出してくるような担当者は、信頼できなくなります。
他方、かなり原始的な作業(印刷して数字が合っているかチェックしたり、レストランの予約や移動手段の手配をしたり)もあって、デジタル化せずにその下積み時間を美化するのも変な話です。
時代も変わるので、新人バンカーがプロフェッショナリズムを鍛える方法も変わっていって欲しいなあと思います(恐らく、もっとプログラミングを活用できるようになることなのではないかと)。英語記事にはGSのIBDが発行したプレゼン資料のスクショがあります。
プレゼン資料にあるジュニアバンカーの生のコメントについて、個人的にはこちらがツボです。
> 「I didn’t come into this job expecting a 9am-5pm’s, but I also didn’t expect consistent 9am-5am’s either」(参考和訳:IBDに入社する前はさすがに9時5時で仕事が終わるとは思ってなかったけれど、まさかいつも午前9時から午前5時まで働くことになるとも思ってなかったわ)
英語記事:https://www.theguardian.com/business/2021/mar/18/group-of-junior-bankers-at-goldman-sachs-claim-inhumane-work-conditions労働環境の改善は難しい問題です。投資銀行が激務なのは今始まったことではなく、というか昔の方が劣悪だった可能性が高いです(笑)。これがここまで放置されてきてしまった、一方で5年ほど前から承認制の導入など手を打ってきたが、雇用側と従業員側のギャップはまだ解消されていないというのが残念ながら実態。
ちなみに、別に投資銀行に限った話ではないと思います。9-17時でデスクワークをしていればOKという仕事は寧ろほとんどないのではないでしょう。仕事には常にクライアントがいますし、仕事には競争が相手がつきものです。したがって、仕事の質を上げていく必要がある。キャリア上の競争もある。それは社内の同期はもちろんだが、同業の社外にもいるし、なんらか同世代の違う職種で切磋琢磨している人も、人材流動化の現代では皆、競争相手とも言える。
今の資本主義や競争社会の原理を維持する以上、雇用側と従業員の関係性がそのしわ寄せを食らうことになっている。だからこそ、難しい問題。
個人的な意見になりますが、各個人がしんどい、辛いと感じはじめたそのタイミングで、しっかりとケアやフォロー(それはメンターだけではなく具体的な休暇も含めて)ができるかが重要に思う。単に労働時間をコントロールするだけでは解消しえない。この問題に向き合えば向き合うほど、ケアやフォローの仕組みづくりと、それを「機能させる会社のカルチャー」が重要に思います。