【対談】インフラからD2Cまで。なぜ、ビジネスに「デザイン」が必要なのか
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取材を担当しました。
デザインファームTakramで、D2Cをはじめ様々なビジネスモデルに対してデザインアプローチをする佐々木康裕さんと、2020年度グッドデザイン賞の大賞受賞者で、水インフラそのものをデザインし直すという視点にたって、自律分散型水循環システム「WOTA BOX」を開発したWOTAの前田瑶介さんに、次の時代のビジネスはどう作ればいいのか、お聞きしました。
VUCAの時代と呼ばれて久しいですが、これまでのやり方や考え方が必ずしも正解ではなくなっている今、ユーザー視点にたつ、あるいは既存のシステムそのものに疑問を投じて、リデザインしていくことが求められるのではないかかな、と思いました。
グッドデザイン賞といえば、多くの人が知るところのデザインアワードですが、昨今はプロダクトだけではなく、システムやサービスなどのビジネスデザインやソーシャルデザインといった観点で受賞される方や団体も多くなっているそうです。デザインという概念が、多くのフィールドに拡張されていく。佐々木さんにお話しいただいたように「デザインをしないこと」が受賞される日も、遠くない未来にやってくるのかもしれません。あらゆるビジネスにおいて、消費者との関わり合いが売って終わりではなく、長期的かつ持続的な関係構築が求められる。
「すべてのメーカーにサーキュラーエコノミーの実現が求められる。自動車やスマートフォン、アパレルなど、商品を作って売るだけではなく、修理・回収・再利用の仕組みを考えることは必要不可欠ですよね。」最近、世の中を変えたといわれるサービスは、新しい仕組みや体験をデザインしたことこそが素晴らしいわけです。
そのためには根本のソリューションを見直し、時代が変わっても持続可能なシステムを考えなおしていかないといけないですよね。
多くのブランドは、数を絞って、品質や希少性を高めることでブランド価値を向上しているように思いますね。
WOTA BOXの場合は違います。安価になればなるほど、世の中に広まり、多くの人々に利益をもたらします。
一方で、普及することや低廉化を指向することによってブランドの価値が低減したり、棄損したりする可能性がある。
それを防ぐためには、安価であってもプロダクトの先にある仕組みやビジョンに対して、価値があると思ってもらうことも必要だと考えています。
つまり、WOTAは普及するほど安価にはなりますが、導入することで確実に水問題の解決につながる。