柏崎刈羽原発 長期間テロ対策に不備 「最も深刻レベル」規制委
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「核物質防護」に関わる評価で最も深刻なレベルという点は、重いです。原発は核燃料、つまり核物質を使用・管理しているという責任の意識が、東電にどこまであるのか、そこが問われる問題だと思います。原発の核セキュリティー、テロ対策はとてもデリケートで、警備上の観点からほとんど明らかにされていません。ただ不法侵入を検知するシステム自体に問題があるとすれば、普段から確認作業が行われていなかった可能性もあります。
対テロで原発の防護構造について、何度か取材をアプローチしましたが、壁は厚かったです。唯一、上部が脆弱という指摘は、福島原発の爆発により露呈した部分でもありました。沢田研二さん主演の映画「太陽を盗んだ男」のような侵入ストーリーは、現実には難しいと考えていましたが、これでは炉心の制御などの知識を持ち得た人物が、仮に侵入したとすれば“原発乗っ取り”という事態も有り得るのではないでしょうか。欧州各地でテロが相次いでいた数年前、原子力施設を狙ったテロは現実の脅威でした。
2016年のベルギー同時テロでは、実行グループが原子力研究施設の技術者の行動を隠し撮りした映像が見つかったほか、同国の原発に出入りしていた作業員が内戦下のシリアに渡航してイスラム国の戦闘員になった例もありました。
原発へのテロ攻撃といえば航空機で突入のようなイメージがありますが、内部の協力者を使う方法はより現実的。その意味でも今回の問題は非常に重い意味をもっています。事故の責任を全面に負わされ、本当に再稼働するつもりがあるのかないのかわからない不安を抱えながら、発電所が稼働もしていないのにモチベーショを保って組織運営だけ完璧にこなさなければならないというのはなかなかハードルが高いミッションではあると思います。
その意味では、東電の運営の問題であると結論付けるのは若干酷かなとも思いますが、この鶏と卵問題を決着できるのは政治しかないでしょうね。だからこそ難しいのですが。菅直人政権は罪深い。