[9日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。米国債利回りが低下し、このところ売られていたテクノロジー株に買いが入ったことからナスダック総合が約4%上昇し、前日の下げから持ち直した。ナスダックの上昇率は昨年11月4日以来の大きさ。ダウ工業株30種は取引時間中の最高値を更新した。

テスラは約1年ぶりの大幅な上げを記録。アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトは過去数週間で最大の上昇となった。テクノロジー株は、利回りの上昇を受けたバリュエーション懸念からここ数週間売り込まれていた。

1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案が近く可決されるとの期待から前日には国債利回りが上昇。ナスダックは2月12日に付けた終値での最高値を10%超下回り、調整局面入りしていた。

前日に1.613%と約13カ月ぶり高水準を付けた米10年債利回りは9日に一時1.523%まで低下した。

インベスコのチーフグローバルマーケットストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は、今年はシクリカル(景気循環)株や小型株がアウトパフォームすると指摘。テクノロジー株も上昇するが、昨年のような市場の上げを主導する状況にはならないとの見方を示した。「きょうは10年債利回りがやや低下し、バリュエーションへの圧力が和らいだため、テクノロジー株が上昇した」と述べ、市場は新たな金利水準に適応しつつあると指摘した。

米取引所の合算出来高は138億8000万株。直近20営業日の平均は152億5000万株。

ラッセル2000グロース指数はこの日3.3%上昇。ラッセル2000バリュー指数は0.1%高。

テスラは19.6%上昇し、S&P総合500種とナスダック100指数の上げを主導した。

前日に14年ぶり高値を付けたS&P銀行株指数は1.7%下落。景気動向に左右されるセクターである金融、素材、工業はいずれも最高値圏で推移した。

前日に40%超値上がりしたゲーム販売ゲームストップはこの日も26.9%上昇。電子商取引へのシフト戦略などが支援材料となっている。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.78対1の比率で上回った。ナスダックでは2.83対1で値上がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 31832.74 +30.30 +0.10 31892.35 32150.32 31822.64

前営業日終値 31802.44

ナスダック総合 13073.83 +464.66 +3.69 12923.07 13151.54 12882.49

前営業日終値 12609.16

S&P総合500種 3875.44 +54.09 +1.42 3851.93 3903.76 3851.93

前営業日終値 3821.35

ダウ輸送株20種 13786.82 +66.22 +0.48

ダウ公共株15種 830.93 +7.48 +0.91

フィラデルフィア半導体 2932.21 +169.46 +6.13

VIX指数 24.03 -1.44 -5.65

S&P一般消費財 1303.32 +47.77 +3.80

S&P素材 480.94 +3.12 +0.65

S&P工業 793.30 -3.08 -0.39

S&P主要消費財 663.54 -0.01 0.00

S&P金融 561.00 -4.84 -0.86

S&P不動産 232.77 +2.45 +1.06

S&Pエネルギー 389.54 -7.59 -1.91

S&Pヘルスケア 1319.47 +8.08 +0.62

S&P通信サービス 236.41 +2.16 +0.92

S&P情報技術 2281.79 +75.25 +3.41

S&P公益事業 309.66 +3.89 +1.27

NYSE出来高 11.85億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 29220 + 150 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 29215 + 145 大阪比

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)