[ワシントン 4日 ロイター] - 米政府は4日、ミャンマー国軍による2月1日のクーデターを巡り、国軍に対する新たな制裁を発表した。同国の国防省と内務省、国軍系企業2社を事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に追加した。

また、「軍事最終用途」の輸出管理規制の対象にミャンマーを加えた。米企業は特定の品目をミャンマーに輸出する場合、米政府の許可を取得することが義務付けられるが、取得は容易ではない。

商務省は声明でミャンマー軍が引き続き広範な製品を入手して恩恵を受けることを認めないとした。エンティティー・リスト追加によって、具体的には米輸出管理規則(EAR)の規制対象の広範な品目の輸出と再輸出が禁止される。

「米政府はクーデーター実行者の責任を問い続ける」とした。その上で、追加措置の可能性を検討していると表明した。

禁輸措置の対象となった国軍系のミャンマー・エコノミック・コーポレーション(MEC)とミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)はビールやたばこ、通信、タイヤ、鉱業、不動産など多業種の子会社を傘下に持つ。国軍はこれらの企業群を利用して同国経済の大部分を掌握している。

ただ、今回の禁輸措置の効果は限定的だとみらる。米国のミャンマー向けの年間輸出は微々たるもので、指定された企業は主要な輸入業者ではないからだ。

米商務省の元当局者、ウィリアム・ラインシュ氏は「貿易量は少ないため、影響は大きくない」と指摘。「クーデターを起こした軍指導部の金融資産に対する措置のほうが影響が大きいだろう」とした。

それでもなお、禁輸措置の対象となった企業などは国軍を強化するための技術や他の必要な製品を獲得するのがこれまでより難しくなるだろうと述べた。

*内容を追加しました。