[東京 3日 ロイター] - 日銀の片岡剛士審議委員は3日、群馬県金融経済懇談会後の会見で、日銀が現在行っている金融政策の点検について、各種施策が経済・物価に与えた効果について分析、検証することが必要だと指摘した。それを踏まえた上で今後の政策運営の方法を示し、市場の信認を勝ち得ていくことが重要だと述べた。

片岡氏は、2%の物価安定目標の早期達成に向け、以前からより緩和を強化すべきだと主張している。市場には、低金利環境が続けば金融機関の貸出金利低下、利ザヤ縮小を通じて金融仲介機能にも悪影響が及ぶという指摘もあるが、片岡氏は「私の主張しているような政策を行うことによって金融仲介機能が損なわれるとは考えていない」と語った。

足元の米長期金利上昇は、米政府の財政政策やコロナワクチンの導入などによって先々の景気が浮揚するとの期待が背景にあると指摘。日本の長期金利については「突発的に金利が上昇する場面があれば弾力的な措置を講じることもあり得るが、現行はそこまでの状況とはみていない」と述べた。

1都3県の緊急事態宣言が延長になった場合、飲食やサービス業などの業務の制限が見込まれ、同業界に影響は持続するだろうと述べた。大きな影響が出たり、先々に懸念が出てきたりした場合は、4月の展望リポートで経済見通しを修正していくことになると語った。

*内容を追加しました。

(杉山健太郎 編集:青山敦子)