[オタワ 2日 ロイター] - カナダ統計局が2日発表した2020年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比9.6%増と、市場予想の7.5%増を上回った。2021年1月単月は速報値ベースで0.5%増の見込み。カナダ銀行(中央銀行)が近いうちに債券買い入れ計画を縮小するとの見方が高まった。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて中銀は昨年、市場の流動性を維持するために政策金利をゼロ近辺まで切り下げ、大規模な債券買い入れプログラムを導入した。

RBCエコノミクスのシニアエコノミスト、ネイサン・ジャンゼン氏は「早ければ4月にも量的緩和を縮小し始めるか、少なくとも縮小を発表するとの憶測が浮上している。今回の統計を受け、その可能性が高まった」と話す。

カナダ銀行のマックレム総裁は先週、金利が2023年に入るまで過去最低水準にとどまると再表明した。次回の政策決定会合は今年3月10日。

一方、一部のエコノミストは経済成長が底堅さを保ち、産出量ギャップが予想以上に早く縮まれば23年より前に金利が変更される可能性もあると指摘する。

スコシアバンクの資本市場経済部門バイスプレジデント、デレック・ホルト氏は「中銀が示す見通しほど長い間金利を据え置くのは難しいと」とした上で、「マックレム総裁はGDPギャップが23年まで縮まらないと繰り返したが、われわれは今年の年末まで、もしくは来年早期には縮まるとみており、中銀は来年下半期に利上げする」との見方を示した。

カナダの20年12月のGDPは0.1%増と、8カ月連続で伸びた。ただ依然として、2月のパンデミック前の水準を約3%下回っている。

20年通年では前年比5.4%減と、過去最大の落ち込みを記録した。