[2日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した2月の消費者物価指数速報値は前年比0.9%上昇。今後は一時的に急上昇が見込まれる中、堅調な伸びを示した。市場予想とも一致した。

物価は複数の一時的要因により一段と上昇する可能性が高く、今後数カ月間以内に欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を超過する可能性もある。また、ECBが予想する今年の平均インフレ率1%も超過すると危ぶまれている。

ただ急上昇は一時的で、年末にかけては急低下すると予想されるため、ECBが金融を引き締めるには至らないとみられている。基礎的な物価上昇が鈍化していることも、ECBが引き締めを急がない理由の一つとされている。

物価上昇は食品や燃料価格の上昇が主な要因だった。

価格変動の大きい食品・エネルギー除くCPIは前年比1.2%上昇だった。予想は1.1%上昇。前月は1.4%上昇だった。

アルコールとタバコを除くCPIは1.1%上昇で、前月の1.4%上昇から伸び率が鈍化した。

今年になって物価が上昇基調にあるのは、原油価格の反転とドイツの付加価値税減税が失効したことが背景にある。

域内各中銀は目先の物価上昇に対応する手段をほとんど有しておらず、一時的な変動は容認する傾向にある。ECBはすでに、複数の幹部が今年の物価急上昇を受け入れると明言しており、むしろ一段の緩和が視野に入っている。早ければ11日の理事会で、名目金利の上昇に対応するため緩和策を打ち出す可能性があるとみられている。