(ブルームバーグ): 野村ホールディングスは2日、運用・投資関連の組織を再編すると発表した。運用事業を手掛けるアセット・マネジメント部門と自己投資などを担うマーチャント・バンキング部門を廃止し、4月1日付で「インベストメント・マネジメント」部門を新設する。大規模な組織再編は、2010年に市場部門と投資銀行部門を統合してホールセール部門を発足させて以来となる。

発表によると、新組織は奥田健太郎グループCEO(最高経営責任者)が注力分野に挙げるプライベート市場拡大戦略の一環。顧客向けの運用業務、自己投資業務など同社の投資運用事業の知見を集約することで、例えば株式や債券に加えてプライベート・エクイティ(PE)などのオルタナティブ(代替投資)商品の開発を加速させる狙い。新組織は、野村アセットマネジメントや野村キャピタル・パートナーズなど運用・投資関連の主要子会社を管轄する。

また、航空機リース関連商品などを手掛ける野村バブコックアンドブラウンなど代替投資ビジネスも統括し、金融商品の品ぞろえを強化する。組織再編に伴い、野村アセットの社長には4月1日付で同社の小池広靖副社長が昇格し、中川順子社長は会長に就任する。

モーニングスターのアナリスト、マイケル・マクダッド氏は組織再編に関して、野村HDのアセット・マネジメント部門は安定的な収益を生み出していたが、マーチャント・バンキング部門と再編することで、収益力が高まるなど変動性がより大きくなる可能性があるとの見方を示した。 

(会社発表を受けて記事を更新します)

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