[東京 1日 ロイター] - みずほ銀行の藤原弘治頭取は1日夕に会見し、前日から起きた現金自動預払機(ATM)の障害について、想定が甘かったと述べ謝罪した。みずほのシステムが大規模障害を起こすのは3回目。今回は同行が設置するATMの8割が一時使えなくなり、キャッシュカードが戻らないなどの事象が起きた。

みずほ銀によると、障害は定期預金取引のデータ移行作業中にメモリーが足りなくなったのが原因。月末に定例で行っているデータ更新作業と重なり、容量を超えた。みずほ銀はメモリー容量を5倍に増やし、障害は1日午後にすべて復旧した。

藤原頭取は「データ移行時の想定の甘さに起因するもので、ハード面のみならずシステムの運用面におけるみずほ固有の要因がないかについて、もう一度点検をする必要があると痛感している」と語った。その上で、「当然ながら経営責任はある。しっかりと受け止めていきたい」と述べた。

みずほ銀のATMは2月28日午前から障害が発生。利用者からの連絡を受けて発覚した。全国に設置するATM5395台のうち、ピーク時は4318台で不具合が起きた。

通帳やキャッシュカードが機械に取りこまれたまま戻ってこない障害は5244件起きた。みずほ銀は利用者に連絡して返却を進める。他行のATMを使って発生した手数料はみずほ銀で負担する。

障害は3月1日朝になっても一部残り、同日午後にすべてのATMが復旧したことを発表した。不具合は同行のインターネット取引でも起きた。

みずほは2002年の統合時と11年の震災時にも大規模なシステム障害を起こしている。藤原頭取は「過去の障害を踏まえて安全、確実なシステムの構築、運用第一として取り組んできた」と説明。「二度と起こさない決意のもと再発防止の徹底に全力を尽くす」と語った。

監督官庁の金融庁には28日午後の早い時点で報告し、その後も断続的に連絡したという。NHKによると、金融庁はみずほ銀に対し、法律に基づいて原因や再発防止の報告を求める報告徴求命令を出す方針を固めた。

*頭取の発言などを追加して再構成しました。

(新田裕貴、内田慎一 編集:久保信博)