[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のレーン、シュナーベル両専務理事は26日、ECBは最近の国債利回りの上昇を注視しているが、特定の金利水準を目標としたり、市場の動きに機械的に反応したりすることはないとの立場を示した。

過去数週間で世界的に国債利回りが上昇しており、ECBがどの時点で資産買い入れ拡大に動くかに注目が集まっている。

レーン氏は26日付のスペインのエクスパンシオン紙に「現段階で、利回りが過度にタイトニングすれば、インフレ・パスに対するパンデミック(世界的大流行)の衝撃との戦いと矛盾することになる」と発言。

「ただ、これは非常に明確だが、われわれが特定の利回りを一定に保つためにイールドカーブ・コントロールに関与することはない」と述べた。

レーン氏は、インフレ率は確かに上向いているが、ECBが目指している水準にはまだ達していないとも発言。

「現在われわれが目にしているのは、インフレ・パスの大幅かつ持続的な変化ではない」とし、インフレ率は依然として極めて低く、ECBによる刺激策が必要だと述べた。

専務理事は、ユーロ圏がパンデミックによる不況から第2・四半期に脱し始めると予測。現在のロックダウン(都市封鎖)の影響は1年前ほど深刻ではないだろうと述べた。

10年物独連邦債利回りは現在マイナス0.223%と年初時点のマイナス0.60%前後から上昇している。

シュナーベル氏は景気回復局面の序盤に実質長期金利が上昇すれば、成長を阻害する恐れがあるためECBの対応が正当化されるとの見解を示した。

その一方で「インフレ期待の高まりを反映した名目金利の上昇は(ECBの)政策が実を結んでいることを示す歓迎すべきサインだ」とし「実質金利の緩やかな上昇も成長通しの改善を反映していれば、必ずしも懸念要因にはならないかもしれない」と語った。

*シュナーベル専務理事の発言を追加しました。