BlackRock’s Fink proposes a ‘bad bank’ model for fossil fuels
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日経にも出てた内容の元記事。BlackRock CEO の Larry Fink が化石燃料系ビジネスからの脱却には金融機関の不良資産処理で使われるバッドバンクと同様のスキーム活用を提唱。株主からの要請を受けやすい大手企業が個別に脱・炭素をすすめても、未上場企業がそれら事業の売却先となるだけではマクロではなんら脱・炭素にならないからと。
やや専門的な話になりますが、これ一見似ているようで、かなり異なる概念なのでは。不良債権処理におけるバットバンクの役割は、エンティティを分けることで不良資産を除いた事業のバリュエーションを可能にし、共倒れを防ぐこと。ESGの文脈では「不良資産」の稼働を止めること自体が目的ですから、業界全体で炭素系ビジネスをバッドバンクに集めたうえ、そこが責任を持って効率化をすすめつつのワインドダウンに取り組む必要が。その意味では、廃炉予定の原発について一時期俎上に載せられていた方式に近いといえそうです。
バッドバンクが資産売却すれば現状と同じことなので、資産売却はそのプロセスを集約することで売却先の選定にエコノミクス以外の条件をあてはめることができるというのでなければ無理筋にしなくてはいけません。ということは、資産は保有し続ける前提で、参加社を多数集めることによって連結対象から持分法対象に変えることができてはじめて発行体側にもインセンティブが生まれることになりそうです。
分社化による情報開示の改善というだけではバリュエーション改善は見込みにくいでしょう。