[ニューヨーク 25日 ロイター] - 25日の米ニューヨーク債券市場で、10年債利回りが大幅に上昇し、一時1.614%を記録した。1.48%程度とみられるS&P500種株価指数の平均配当利回りを上回り、ここ1年ほどで高まっていた株式の相対的な魅力が低下した。

10年債利回りは終盤には1.5026%。同利回りが1.5%を超えたのは2020年2月以来。新型コロナウイルス危機で金融市場が大きく混乱する前だ。米主要株価指数はコロナ危機で大きく落ち込んだが、それ以降持ち直し、過去最高値を更新していた。

ただ、米国債利回りの上昇で、株式の相対的な魅力は低下している。米株式市場は25日、大幅安となった。

チェース・インベストメント・キャピタルのプレジデント、ピーター・トゥズ氏は「1%を下回っていた10年債利回りは1.5%に急上昇した」とし、株式と比較した場合の投資妙味が急に高まったと説明した。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニアアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は、「米国債は安全投資とみなされ、全ての株式は高配当銘柄でさえもリスクがあるとみられている」とコメントした。同氏の算出によると、24日終値に基づくS&P500種株価指数の平均配当利回りは1.45%。

同氏は、新型コロナ危機前ほどではないにしても、企業の金利負担は増えると分析。「企業の債務は積みあがっている。手元資金を心配して債券などを発行したからだ。これは様々なデータで確認できており、今後影響が出てくる」と指摘した。