[ウェリントン 25日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)のオア総裁は25日、金融引き締めの検討を始める前に、インフレ率が目標レンジの中間値で推移し続ける必要があるとの考えを示した。

総裁は議会委員会での証言で「われわれは忍耐強くなることが必要だ。引き締めに転じる前に、インフレ率が中間値で推移し続けることを確実にする必要がある」と語った。

中銀は前日、政策金利を予想通り0.25%に据え置いた。声明で中銀は「消費者物価上昇率が目標の中間である年2%に維持され、雇用が最大の持続可能水準に達するかそれを上回ると確信できるまで、現在の景気刺激的な金融状況を維持することで委員会は合意した」とした。

オア総裁はこの日、国内経済が「ディスインフレやデフレスパイラル」に陥らないようにする必要があると指摘した。

ニュージーランドは新型コロナウイルス封じ込めに成功し、他国に先駆け景気が回復している。雇用や物価、企業の景況感を示す指標も予想以上に改善している。

ただ、中銀は、各国でコロナ感染が続く限り、貿易や観光業への依存が大きい国内経済には引き続きリスクがあると指摘している。

オア総裁は、国内経済が持続可能な力強い景気回復軌道に乗るには、他国の景気も回復する必要があるとし、それまでは金融刺激策の継続が必要だとの考えを示した。