[東京 24日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は24日午前の衆院財務金融委員会で、日銀が債務超過に陥るリスクについて「予断をもって答えるのは適当ではない」と述べた。日銀の自己資本の残高が足元で9.5兆円程度ということも明らかにした。

階猛議員(立民)は「日銀への信認は財務の健全性から生まれているが、それが損なわれてしまうことを懸念する。将来的に債務超過に陥る危険はないのか」と質問した。

黒田総裁は日銀の損益について「日銀当座預金に対する支払い利息や引当金計上といった費用がある一方、国債の利息収入やETFの分配金などの収益がある」とし、様々な要因があると説明。その上で「準備金の積み立てなどによって自己資本の充実にも努めている。債務超過に陥る危険について予断をもって答えるのは適当ではない」と語った。

(杉山健太郎)