[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米国のオプション市場の参加者は、今週約1年ぶりの高水準を付けた米長期国債利回りが上昇を続けると予想している。

サスケハナ・インベストメント・グループのデリバティブ戦略で共同責任者を務めるクリス・マーフィー氏は、長期国債に連動する上場投資信託(ETF)「TLT」は価格下落を見越した取引が過去2週間に急増したと指摘。

マーフィー氏によると、権利を行使すれば損失がでるアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)オプションの予想変動率(インプライド・ボラティリティー)は2週間前の17.65から18日時点で28%に上昇したという。

同氏は「オプションは国債価格が急激に下落し、利回りが上昇するリスクを織り込んでいる。反対に、価格上昇と利回り低下を見越したオプションが織り込む価格の変動幅は小さい」とした。

米10年債利回りは17日の取引で2020年1月以来の水準に上昇。インフレ加速への期待や米政府が既に表明している追加財政刺激策、経済指標の改善が背景にある。

バイデン氏が提案している1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加景気対策が成立すれば、米議会を通過した刺激策としては過去最大級となる。バイデン政権はまた、国内のインフラを近代化する計画について検討を行っている。

財政支出が増えれば国債の増発につながり、価格下落と利回り上昇を招くと見込まれる。

ナットアライアンスの国際債券担当責任者、アンドリュー・ブレナー氏は、「2021年に打ち出される刺激策は膨大な規模になる」と指摘した。