[18日 ロイター] - 米南部テキサス州を襲った大寒波による被害で、損害保険各社が多額の保険金の支払いに迫られるとの観測が出ている。

ムーディーズのアナリスト、ジャスパー・クーパー氏は、保険会社の損失が数十億ドルに及ぶ可能性があるとの見方を示す。

ハリケーンなど多くの自然災害に見舞われるテキサス州は、損害保険の市場規模で全米2位。ただ、局地的な影響にとどまるハリケーンと異なり、今回の大寒波では、15日から続く大規模停電など州内全域に被害が及んでいる。

州内損害保険会社の業界団体「インシュランス・カウンシル・オブ・テキサス」の広報担当者によると、数十万件単位の保険金請求が見込まれる。

住宅向け保険で州内最大手のステート・ファームは、凍結による水道管破裂について、今週だけで「数千件」の保険金請求があったことを明らかにした。2020年は通年でもわずか75件だったという。

寒波が緩むに従い、住宅だけでなく商業用施設に関する被害の報告も入り始めている。その多くが水道管の損傷だが、被害の全容が判明するのは、まだこれからだという。

また、州内全域でサプライチェーンが途絶え、多くの企業が営業不能に陥っている。オースティンの弁護士、レスリー・ソーン氏はそうした損失の補てんに関し、この3日間だけで30件の電話相談を受けたという。