(ブルームバーグ): 1月の米株式市場を混乱に陥れた米ゲームストップの株価乱高下で中心的な役割を果たしたとされる株取引アプリ運営の米ロビンフッド・マーケッツと、ヘッジファンド運営会社シタデルの経営幹部らは、18日の議会証言で陰謀論に反論する構えだ。両社が連携して個人投資家の買い注文を制限したとの見方がワシントンで広がった。

ロビンフッドのウラジミール・テネフ最高経営責任者(CEO)は事前に公表された議会証言テキストで、ゲームストップ株などの取引を制限したのは清算機関から求められた要件を満たすためだったと説明。ロビンフッドがヘッジファンドの支援に動いたとの見方は「完全な誤りであり、市場をゆがめるレトリックだ」と指摘した。

一方、シタデルを率いるケネス・グリフィン氏は証言テキストで、ロビンフッドがゲームストップ株の買い注文を制限した事実は公表されるまで知らなかったと説明。「はっきりさせておきたいと思う。ゲームストップやどの『ミーム』銘柄についても、ロビンフッドの取引制限の決定にわれわれは何ら関与していない」と主張した。

シタデルとマーケットメーク(値付け業務)部門のシタデル・セキュリティーズは、グリフィン氏の「金融帝国」と称される。

下院金融委員会は18日、バーチャル形式で公聴会を開く。議員らは、個人投資家の熱狂的な取引に関与したとされる企業の幹部に真相をただす最初の機会を得る。同委のウォーターズ委員長(民主)は、ヘッジファンドの影響力を制限し、個人投資家の保護を強化する新たなルールが必要かどうか見極めるため、今回の騒ぎに関わる当事者全員を精査したい意向だ。

さらにオンライン掲示板「レディット」への書き込みに呼応した個人投資家の攻勢を受け、巨額の損失を被ったファンド運営会社メルビン・キャピタル・マネジメントの創業者ゲイブ・プロトキン氏も公聴会で、ゲームストップ株の取引制限にメルビンは一切関与していないと証言する予定。証言テキストによれば、制限導入の数日前に同社はゲームストップ株のポジションを全て解消したという。

原題:Robinhood’s Tenev Denies Aiding Hedge Funds, Defends Curbs (2)、Robinhood, Citadel Reject Conspiracies They Halted ‘Meme’ Trades(抜粋)

(グリフィン氏の証言テキストなどを追加して更新します)

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