[バンコク 15日 ロイター] - タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)が発表した第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.2%減と、マイナス幅はロイターがまとめた市場予想(5.4%)よりも小さかった。新型コロナウイルス対策の制限緩和で国内の経済活動と輸出が回復した。

季節調整済みの前期比は1.3%増と、エコノミスト予想の0.8%増を上回った。

第3・四半期のGDPは前年比6.4%減、前期比6.2%増(改定値)だった。

2020年のGDPは6.1%減と、1998年以降で最大の落ち込みとなった。市場予想は6.4%減。

NESDCは今年の予想を2.5─3.5%のプラス成長と、従来の3.5─4.5%のプラス成長から引き下げた。国内で昨年12月に新型コロナウイルス感染が拡大したのを受けて下方修正した。ただ、輸出については、4.2%増から5.8%増に予想を引き上げた。

今年の外国観光客来訪予想は500万人から320万人に引き下げた。2020年は670万人、2019年は約4000万人だった。

アユタヤ銀行のチーフエコノミスト、Somprawin Manprasert氏は、GDP統計に意外感はないとし、経済がコロナ禍前の水準に戻るのは、従来予想より遅れて2022年第3・四半期になるとの見方を示した。

DBSのエコノミスト、Radhika Rao氏は、財政支援が今年の回復を下支えする鍵とみている。

政府はコロナ禍で打撃を受けた経済を支援するため1兆9000億バーツ(636億1000万ドル)規模の対策を打ち出し、中央銀行は昨年、政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げ過去最低の0.50%とした。

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