[シンガポール 15日 ロイター] - シンガポール貿易産業省が15日発表した2020年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年比2.4%減と、速報値の3.8%減より小幅なマイナスとなった。製造業部門の成長が寄与した。

アナリスト予想は3.5%減だった。

季節調整済みの前期比では3.8%増だった。

貿易産業省のガブリエル・リム次官は「シンガポール経済は2021年に緩やかに回復する見込みで、GDPがコロナ前の水準に回帰するのは下半期となる見通しだ」と述べた。

2020年のGDPは5.4%減と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により過去最大のリセッション(景気後退)となった。速報値は5.8%減。

シンガポール政府は今年のGDP成長率をプラス4─6%と予想している。

政府によると、外需中心の部門は世界的な経済活発化の恩恵を受ける公算が大きいが、観光や航空に関連する部門の活動水準は今年末になってもなお、コロナ前の水準を下回るとみられる。

HLバンクのシニア・トレジャリー・ストラテジスト、ジェフ・ウン氏は「今後の見通しは引き続きまだら模様だが、われわれは総じて楽観視している」と語った。「下振れリスクが再び顕在化することがなければ、われわれの2021年のGDP成長率予想である6.3%よりも好調になる可能性も多少あるとみている」と述べた。

シンガポールでの新型コロナ新規感染者数はほぼゼロに抑えられており、ワクチン接種も始まっている。ただ、世界的な感染者急増や感染力が強い変異株の出現を受けて国境封鎖を解除するペースは鈍っている。

リム次官はシンガポール経済が開放型かつ貿易依存型であるため、景気回復の大部分が国内よりも海外での状況に関連付けられることになると語った。

シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)の副マネジング・ディレクター、エドワード・ロビンソン氏は記者会見で、現在の政策スタンスに変更はないと述べた。

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