[東京 4日 ロイター] - 大手銀行3グループの第3・四半期決算が4日、出そろった。三菱UFJフィナンシャル・グループの4─12月期連結純利益は、前年同期比3.3%増の6070億円で、年度目標の6000億円を上回った。他の2行も同様の結果となったが、いずれも新型コロナウイルスの影響長期化を警戒し、年度目標の上方修正は見送った。

三井住友フィナンシャルグループは同29.0%減の4339億円、みずほフィナンシャルグループは12.2%減の3544億円だった。2行とも減益となったが、それぞれ年度目標に到達した。

与信関係費用は、三菱UFJFGが年間予想の約7割、三井住友FGとみずほFGが約5割と、想定の範囲にとどまった。政府の企業への資金繰り支援策などが奏功した。

ただ、足元では緊急事態宣言が延長されるなど、新型コロナ感染拡大の影響の長期化が懸念される。1月に感染者数が一時急拡大するなど、先行きの不確実性は払拭できず、3行ともに年度の純利益予想は据え置いた。

JPモルガン証券の西原里江シニアアナリストは、1─3月期に貸倒引当金などの与信関係費用の増加を見込む。「緊急事態宣言の影響がビジネスにどう出ているか、銀行側はできるだけ早く把握して保守的に引当金を積んでいくだろう」と話している。

(新田裕貴)