Twitter買収で注目。ニュースレターの革新。

2021/2/11
米国を中心に、ニュースレターサービスにまつわる買収が相次いでいます。
・Morning Brew:250万人以上の購読者を誇る米国発ニュースレター。2020年10月にBusiness Insiderを運営するInsider,Inc.が買収。

・Revue:オランダ発のニュースレター配信プラットフォーム。2021年1月にTwitterが買収。

・The Hustle:150万人以上の購読者を誇るニュースレター。2021年2月にHubspotが買収。
また、「Substack」などのプラットフォームを活用した個人のニュースレターも日に日に増加。経済学者のポール・クルーグマンがニュースレターを開始すると宣言したことも話題になりました。
にわかに注目を集めつつあるニュースレター。半世紀前から存在した「メール」というコミュニケーションに注目が集まるのは、なぜでしょうか。

ニュースレターの復興

Eメール自体は、決して新しいテクノロジーではありません。世界で初めて「@」付きのメールアドレスを使ったメールが送られたのは1971年とされていますが、以来50年間のテクノロジーであり、何一つ新しいものではありません。
ですが、メールが持つ「隠れたポテンシャル」に目をつけるメディアやD2Cブランド、そして個人が今、急増しています。
「メルマガ(メールマガジン)」についていえば、これまでもさまざまな企業・メディアが発行していました。ただ、それらの多くは、ただの「踏み台」。自社ウェブサイトへの誘導のための入り口の一つで、「コンテンツ」と呼べるものはではありませんでした。
いまやSNSはホントもウソも、個人の主張も最新ニュースがごった煮状態。おまけに次々ブラウザのウィンドウが立ち上がるのでは、あまりにストレスフルで、効率的とはいえません。その点、メールでの情報摂取はシンプルです。メールボックスだけで、自分が知りたい・知るべき情報が得られるのは、ニュースレターならではのよさといえるでしょう。
さらに、ニュースレターは送り手と受けての1対1の「深いコミュニケーション」としての役割も果たすようになってきました。情報過多な時代だからこそ際立つメールのシンプルさは、ユーザーとメディア・企業をつなぐツールとしても再評価。ニュースレターだけで完結する新興メディアやニュースレターを積極的に活用するブランドが増えているのです。

ニュースレターとメルマガ

今注目される「ニュースレター」と、毎日、皆さんのメールボックスに滝のように送られてくる「メルマガ」との違いは、一体どこにあるのでしょうか。
ニュースレターと呼ばれるメールにはいくつか特徴があります。
1. コンテンツとしての完結性
ニュースレターはメールそのもの自体が内容として完結しています。そのニュースレターを読めば何かしらの発見や気づき、理解が得られるそれ自体が一つのコンテンツ。購買を促したり、単にウェブサイトへのリンクを踏んでもらうための、入り口の一つではありません。
2.定期的に届けられる習慣性
ニュースレターは「プロモーション」ではなく、ユーザーの生活習慣とともにあるもの。ゆえに、コンテンツが一定の習慣性を持って送られてくるのもニュースレターの特徴の一つです。例えば毎週、決まった時間にメールが届くのを楽しみに待つような感覚はニュースレターならではと言えるでしょう。
3. オーディエンスとの深いリレーション
SNSの登場で個人の影響力がフォロワーという形で可視化されるようになりました。一方で、そうしたオーディエンスとより「深い」コミュニケーションを築く、またはそれをお金に変えていくということは道半ば。広告モデルが招いた歪みであるステマ問題などは、そうしたことを表す事象でしょう。ニュースレターは送り手とオーディエンスの関係性をより深めるあたらしいツールとしての側面を持つのです。
また、『ニュースレターとメルマガの違い』 として、こちらにもまとまっています。

Quartz Japanがお届けするニュースレター

Quartz Japanは、平日朝夕と週末に世界の「今」と「次」を届けるニュースレター。しかも、機械的なニュースの寄せ集めではなく、きちんと人間が編んだ「メッセージ」としてニュースを届けています。アプリでもウェブサイトでもなく、いつも使っているメールアドレスに届く、検索不要のニュースサービスです。
米国ニューヨークのQuartzは、いち早くニュースレターに取り組み、今もさまざまなテーマのニュースレターを展開していますが、「Daily Brief」はそのフラッグシップ的な存在です。世界で注目が集まるニュースレター体験の最先端を、ぜひお試しください。