[ブリュッセル/フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した1月のユーロ圏消費者物価指数速報値は前年比0.9%上昇し、伸び率は約1年ぶりの大きさとなったほか、エコノミスト予想の0.5%を上回った。過去4カ月間は0.3%の低下となっていた。

エネルギーコストの上昇とドイツの増税が影響した。欧州中央銀行(ECB)にとってはコミュニケーション面で難しい対応が迫られそうだ。

インフレ率は2%近くというECB目標を過去10年の大部分でアンダーシュートしている。物価圧力が抑えられ、新型コロナウイルス流行に伴うリセッションが長引く中、ECBは向こう数年間の超緩和政策を約束している。

しかし、たとえ多くの政策当局者が予想するように一時的であったとしても物価が上昇すれば、異例の刺激策を正当化するのが一層困難になる可能性がある。

インフレ率上昇の主因は、これまで実施されていたドイツの減税が終了したことや、原油高を背景とするエネルギーコストの上昇、食品価格の上昇だ。

基調インフレ率も同様に上昇。ECBが注視する食品とエネルギーを除いたインフレ率は0.4%から1.4%に拡大。さらにアルコールとたばこを除いたインフレ率は0.2%から1.4%に加速した。