[ニューデリー 1日 ロイター] - 米ツイッターは1日、暴力をあおる目的の投稿があるとするインド政府からの要請を受け、同国で主要ニュースマガジンを含む数十のアカウントを停止した。関係筋がロイターに明らかにした。

インドでは農業新法を巡り農家の抗議デモが続いており、先週にはデモ隊と警官隊が衝突、参加者1人が死亡したほか、警官を含む100人以上が負傷した。

農家は、農産物取引を自由化する農業の新法が、農家ではなく民間の買い手に恩恵を与える内容だとして撤廃を要求。2カ月以上にわたり、ニューデリー周辺で多数の農業従事者がテントを建てて座り込みを続けている。

モディ政権は、農家の主張を否定。新法は民間業者に農産物を直接販売する新たな機会を農家に提供するとしている。

政府当局者によると、暴力をあおる目的の投稿を掲載しているとして「250近いツイッターアカウント」の停止を内務省が要請したという。

インドの情報技術(IT)法は、治安を乱す行動を扇動していると見なされるオンラインコンテンツの遮断を求める権限を政府に与えている。

内務省はコメント要請に応じていない。

ツイッターは、必要に応じて政府の指示に従っていると説明。広報担当者は「権限を有する機関から適切な範囲の要請を受けた場合、特定の国で特定のコンテンツへのアクセスを制限することが必要になることもある」と述べた。

また、このような要請があった場合、禁止されていない限り、影響を受けるアカウントの保有者に「速やかに」通知することがツイッターの方針だと付け加えた。

一方、アカウントを停止されたニュースマガジン「ザ・キャラバン」の編集長はロイターに対し、ツイッターからアカウント停止の通知を受けていないと明らかにした。「これは検閲に近い。農家デモに関する報道を伝えたキャラバンのエディターが暴力を扇動したとして、これまでに複数の訴訟が提起されている」と述べた。

このほか、農業従事者や抗議デモの支持者らのアカウントも停止された。