[5日 ロイター] - メディア王ルパート・マードック氏が率いる21世紀フォックス <FOXA.O>は5日、タイム・ワーナー<TWX.N>に対する800億ドルの買収提案を取り下げ、世界最大級のメディア企業の形成を断念した。

フォックスの会長兼最高経営責任者(CEO)のマードック氏は、買収案は戦略面で大きなメリットがあり、財務面でも説得力を持ち、友好的な内容だったが、タイム・ワーナーの経営陣と取締役会が提携を拒否したとの声明を発表した。

また、買収提案以降フォックスの株価は過小評価されており、株主にとって買収は魅力的でなくなっていると指摘した。

フォックスの株価はこの日、31.30ドルで引けたが、その後の時間外取引で10.4%上昇した。一方、タイム・ワーナー株価は、85.19ドルで終了後、10.7%安となった。

タイム・ワーナーは長期的に企業価値を高め、引き続き株主に大きなリターンを継続してもたらすことに取り組んでいくとの声明を発表した。

関係筋によると、現時点でほかにタイム・ワーナーに買収を提案しそうな企業はない。だが同社の株価は依然、想定される買収価格より高水準で、今後新たな買収提案が行われる可能性が意識されている。

別の関係筋はフォックスが60億ドルの自社株買いを発表したことを理由に、マードック氏のタイム・ワーナー買収断念は揺るがないとの見方を示した。

 *内容を追加します。