[ワシントン 29日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が29日に発表した2020年12月の中古住宅販売仮契約指数は前月比0.3%低下の125.5と、4カ月連続でマイナスとなった。住宅の供給不足により価格が上昇しており、中古住宅市場の重しとなっている。市場予想は0.1%低下だった。

中古住宅販売仮契約は1─2カ月後に販売取引が成立する。

12月の前年同月比は21.4%上昇した。中古住宅販売は20年に14年ぶりの高水準を付けた。

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は、「供給が大幅に増えない中で需要が高く、住宅価格が上がっている。しばらくの間は上昇圧力が一段とかかるだろう」と話した。

新型コロナ危機により企業が在宅勤務を容認しているほか、学校がオンライン授業に移行しており、郊外や人口が少ない地域に人が移っている。労働力人口の約23.7%が在宅勤務している。低い住宅ローン金利と合わさり住宅市場の追い風となっている。

コロナ危機で打撃を受けた人はサービス業の低賃金労働者に偏っている。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、米国の30年固定住宅ローン金利は平均約2.73%。

ただ依然として住宅の供給が障壁となっている。木材価格が高く、用地と労働力が不足している。こうしたことから住宅価格が上がっている。

12月の中古住宅販売仮契約指数は中西部で3.6%低下した。北東部と南部は3.1%と0.1%それぞれ上昇。西部は横ばいだった。