[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日に発表した2020年12月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.2%減少し、2カ月連続のマイナスになった。新型コロナウイルス感染を抑制する制限措置のほか、政府の失業給付が一時的に期限切れになったことを受けた。

新型コロナ感染への警戒が強まる中、外食や病院、娯楽などへの支出が減少した。アナリスト予想の0.4%減ほどは悪化しなかった。11月は0.7%減少していた。

インフレ調整後の個人消費は0.6%減少。11月は0.7%減だった。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルーキ氏は、個人消費はもともと低調だった上、「経済活動を制限している封じ込め措置が消費を圧迫する可能性が高い」と述べた。

個人所得は0.6%増に持ち直した。失業給付のほか賃金増も支援した。11月は1.3%減少していた。12月の貯蓄率は13.7%と、前月の12.9%から上昇した。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%上昇。前月は変わらずだった。前年比は1.5%上昇。前月は1.4%上昇だった。同指数の前年比の動きは米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目している。

今回の指標では、物価が安定的に上昇していることが示された。別に発表された第4・四半期の雇用コスト指数も着実に上昇した。FRBが目標とする2%の物価目標には年内に到達するとみられているが、FRBは新型コロナ危機が続く間は超緩和政策を維持するとみられる。

PNCフィナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「FRBはインフレ率が平均して2%、つまり一時的に2%を超えることを望んでいる」と指摘。ただ「高水準の失業率が賃金上昇を抑制するため、インフレ圧力は一部のセクターに限定されるだろう」と述べた。