[北京 28日 ロイター] - 関係筋によると、中国は、今年の経済成長率目標を設定しない可能性がある。成長率目標を設定すると、地方政府の債務拡大を助長することになると懸念しているためだという。成長率目標の設定が今年も見送られれば、2年連続となる。

中国経済は、新型コロナウイルス流行の影響で昨年は前半こそ低迷したが、通年では2.3%成長を確保。ロイターがまとめたエコノミスト調査によると、当局の積極的なコロナ対応や世界経済の回復を背景に、今年の成長率は8.4%に急回復すると予想されている。

関係筋によると、政策当局者は、具体的な成長率目標を設定すると、目標を達成するために地方政府が債務を膨らませる可能性があると懸念している。

関係筋によると、成長率目標の設定見送りを主張している政府顧問らの意見が優勢になりつつある。政策当局者は、成長率目標を設定する代わりに、雇用などに関する目標を設定することで、目指す成長率を示唆する可能性があるという。

3月上旬の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に、内部的な議論が続いており、結論はまだ出ていない。関係者によると、国家発展改革委員会(NDRC)は成長率目標の設定に前向きだという。

関係筋によると、中国政府は今年のインフレ率目標を3%前後に設定する見込み。昨年のインフレ率は2.5%、目標は3.5%前後だった。