(ブルームバーグ): ビデオゲーム小売りチェーン大手ゲームストップの驚異的な株価急騰は、27日も衰える気配を見せていない。空売り投資家が同銘柄のショートポジション解消を始めた一方、強気派のデイトレーダーは優勢を維持している。

ゲームストップ株は過去4営業日で株価が3倍余りに急伸。27日は通常取引開始直後に前日比140%高となり、高ボラティリティーのために売買は少なくとも2回停止された。日中には一時、157%高の380.00ドルを付けた。

空売りを手掛けるメルビン・キャピタルはポートフォリオを調整した後、ゲームストップのショートポジションを解消した。シトロン・キャピタルのアンドルー・レフト氏も27日、ユーチューブの動画で、ゲームストップ株ショートポジションの大部分を「100%の損失」で買い戻したと明らかにした。

Jキャピタル・リサーチの共同創設者、アン・スティーブンソンヤン氏は電話で、「合理性とファンダメンタルズが全く通用しないという印象だ」とコメント。「空売りポジションを建てた人は買い戻すしか選択肢がなく、極めて過大評価された株式を持つはめになる」と説明した。

ゲームストップにコメントを要請したが、返答は得られていない。

27日の株価一段高により、ゲームストップの時価総額は月初の15倍を超え、200億ドル(約2兆800億円)を突破した。

未曾有(みぞう)のショートスクイズをきっかけに、同じような標的を探す動きも活発化した。27日は小売りのエクスプレスやベッド・バス・アンド・ビヨンド、映画館チェーンのAMCエンターテインメント・ホールディングスなどの株価が急伸している。

原題:GameStop Rally Hits New Extremes as Short Sellers Surrender (1)(抜粋)

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