[26日 ロイター] - 関係筋によると、米国のバイデン政権は27日、連邦所有地・水域について、石油・ガス鉱区の新たなリースを一時的に停止すると発表する見通し。

また今後10年間にわたって連邦所有地の3分の1近くを保全対象にすることも命じる。

バイデン大統領が、気候変動対策に関する一連の大統領令で明らかにする。

バイデン氏は、連邦所有地で新規の石油・ガス掘削を禁止することを選挙公約に掲げていた。内務省は先週、政策の見直しを進めるため、掘削の承認手続きを暫定的に60日間停止することを明らかにしている。

大統領令が発令されれば、主に西部の州の陸上掘削や米メキシコ湾の海底掘削などに大きな影響が出る見通し。石油・ガス資源が豊富な先住民族の土地は大統領令の対象外になるという。

関係筋によると、大統領令は新規のリースを禁止する内容で、トランプ政権下でリース権を取得した鉱区では、掘削許可が下りる可能性がある。

ホワイトハウスの報道官は、現時点でコメント要請に応じていない。

ロイターが先週入手した文書によると、バイデン大統領が27日発表する大統領令には、政策決定過程で気候科学の利用を強化することや、気候変動に関する国際サミットを4月に主催することも盛り込まれる見通し。

また関係筋によると、低所得層や少数民族を環境汚染から守るため、クリーンエネルギー投資の約40%を低所得地域に振り向けるほか、ホワイトハウス内に気候変動に関する作業部会を設置する。厚生省内にも気候変動局を創設するという。

連邦所有地・水域で生産される石油・ガスは、国内生産全体の約4分の1を占める。温室効果ガスの約4分の1は連邦所有地・水域で発生している。

ただニューメキシコ州など、連邦所有地・水域の鉱区リースへの依存度が高い州は、大統領令の発令で財政や経済が圧迫されるとみられ、企業団体から批判の声が出ている。