[ロンドン 26日 ロイター] - 英国のハンコック保健相は26日、新型コロナウイルスワクチンの供給に混乱が生じないよう欧州連合(EU)と協力できるとの見方を示し、パンデミック(世界的大流行)の最中で保護主義は正しい姿勢ではないと強調した。

ドイツのシュパーン保健相はこれより先、EUが新型コロナワクチンの域外への輸出を規制する案を示したことについて、欧州はワクチン供給の「公平な分配」を受けるべきだとして、規制案を支持する姿勢を示した。

欧州委員会はその後、規制案は企業がワクチン輸出の登録を行うことを義務付ける内容だとし、禁輸措置を導入する計画はないと説明した。

ハンコック保健相は王立国際問題研究所(チャタムハウス)で「(輸出を)妨げる措置が導入されないよう、EUと協力できると確信している」と述べた。

製薬大手の米ファイザーと英アストラゼネカの最高経営責任者(CEO)と協議し、ワクチン供給に混乱は生じないという確信がメーカー側から得られたことも明らかにした。

ただ、自国への供給を優先する「ワクチン国家主義」にも警戒感を示し「パンデミックの最中に保護主義が正しいアプローチだとは思わない」とけん制した。