給与デジタル払い21年春解禁、銀行口座介さず 政府方針
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21年春に解禁するということは、労働基準法の通達の変更と資金決済法での対応を、数か月にするのでしょうか?
金融庁と厚労省の労働基準局が法律の運用でタッグを組んだことなどなかったはず。
日本では給与のデジタル払いという言い方をしますが、海外ではペイロールカードが普及していますので、そのモデルを参考にするものと思われます。
事業者が破綻した場合の労働者の給与相当の資金の保全がかなり問題だと思われているようですが、欧米のペイロールカードの場合、カードのIssuer は、銀行であるケースが大半です。そのIssuerのカード発行の権利を使って事業者がペイロールカードを発行できるようなビジネスモデルが一般に普及しています。この場合ですが、最終的なIssuerは銀行なので、銀行が破綻しない限り、資金は保全されるような仕組みになっています。
これは、日本のように資金決済法という別個の法律がなくても、カードブランドのルールと銀行で事実上倒産隔離をして資金を保護するからです。
海外でのペイロールカードの最大の利点は、給与を早く支給してもらうことが可能になることです。
一般的に、時間管理で仕事をするアルバイトやパートタイム労働者の給与は、遅くとも働いた2週間後には支払うように義務付けているのが欧米の労働基準法です。早ければ1週間単位で支払うことが一般的な豪州のような国もあります。
こういう国で良い人材を集めたければ、もっと早く給与を支払うようにしようとするわけです。最速では、海外のカジノでは、タイムカードを押したら、その1時間後には手元のペイロールカードのアカウントにその日働いた分の給料が入っていたりします。
このように働いた日の給料を直ぐに毎日貰うようにするには、銀行口座への振込みではコストが掛かり過ぎてしまう訳です。
このような場合に、ペイロールカードが有効です。
ですから、日本ではデジタル払いというところに焦点が当たっているようですが、時間労働者の給料支払いが1か月後でも許されてしまうというところが、問題なのであり、本質論がそこにあります。
この辺りは、本音と建て前を使い分けているのだと思いますが、私は個人的に日本でもペイロールカードが普及して、時間労働者が働いたらすぐに給料が貰えるようにすることの方が、貧困リスクを考えた場合に重要だと思っています。
注目のコメント
銀行にとっては痛いでしょうね。
給料もらう方にとってはどうか。是非やってくれ、という人々と、それは何?という人々に分かれるかも。どちらが良いか、進んでいるか、という話ではありません。
大企業の正社員であれば、正直どこにどのように払って貰おうが、不満なら給与計算担当に文句をつければ何とかしてくれそうです。確定申告も不要なら尚更です。
一方、個人事業主や副業している人、非正規社員にとってはトラブルもありそうです。いつの間にかのポイント払いとかもできそうだし、メリットもあるけれど、とてつもない弱者圧迫もできそうです。
銀行預金残高を押さえることで色々な裏をとっている税務関係の人々の仕事はどうなるのだろう、などとも思います。おカネに関しての、色々な真実や都合、不都合が明白になってきそうですね。現在の法令では、賃金は通貨で直接本人にで支払うことが原則です。金融機関の口座への支払いは、本人が同意した
場合にのみ可能です。(会社所定の様式に給与振込口座を記入して提出した場合などは、同意したものとみなされます。)
これは、国内で強制通用力のある貨幣で賃金を支払わせ、また、本人を支配している者(親や第三者)が代わりに賃金を受け取り搾取することを防止する意義があります。
ですので、恐らく、デジタル払いでも本人同意と、本人の所有であることが確認できるデジタルサービスであることが前提となると思われます。(日経側に「アフリカでは給与がデジタルウォレットに入金される仕組みが普通」とあったので。。)アフリカの給与支払いは、銀行口座が一般的です。
世銀の調査では、15歳以上の銀行口座保有率は、ケニアで56%、ナイジェリアで39%。個人事業主や農業従事者の割合が多いアフリカでは、会社勤めをして従業員という形で給与を受け取っている人はそれより少ないですし、その場合に銀行口座をもっていないことはあまりないと思います。
銀行がモバイルウォレットや日本でも使われているインターネットバンキングサービスを提供しているので、それを通じて引き出したり、買い物に使用する場合もありますが、いずれにせよ銀行口座です。
モバイルマネーで賃金が支払われるのは、日雇いや臨時雇用、あとは労賃や個人事業主向けの支払いが中心です。
日本はほとんどの人が給与所得者だと思いますが、収入が給与でないので銀行口座が必要ない人が多いというのが、アフリカで銀行口座の保有率が低い一番の理由だと思っています。
基本的にアフリカの国々は、超現金社会です。ケニアのM-pesaが普及したのは、現金との交換が非常に容易だからで、そうでないモバイルウォレットは受け入れられないでしょう。当社はケニアで小売業もやっていますが、スーパーでなくパパママショップでM-pesaで払う人はほぼいないです(払ってほしい)。