[チューリヒ 26日 ロイター] - スイスの金融大手UBSが26日発表した2020年第4・四半期決算は137%の増益となった。顧客の取引活動が高水準だったことが寄与した。

第4・四半期の純利益は17億0800万ドル。同行がまとめたアナリスト予想の中央値9億6600万ドルを大幅に上回った。

富裕層・超富裕層の間で融資や取引の需要が好調だったことに加え、投資銀行部門の活動も拡大した。通期では54%の増益となった。

同行は取締役会が1株当たり0.37ドルの配当を提案する方針だと表明。今四半期は11億ドル相当の自社株買いを実施する計画。

40億スイスフラン(45億ドル)を上限とする新たな自社株買い(期間3年)も開始する予定。同行は株主還元策として、以前より自社株買いを重視している。

UBSの大きな収益源は、富裕層向けの助言・資金管理サービス。国際的な投資銀行業務・資産運用業務も継続しているが、リテール・法人金融は国内市場でのみ展開している。

2020年はこうしたビジネスモデルが奏功した。富裕層向けの融資や住宅ローンはリスクが低く、多くの銀行に比べ損失が少なかった。

通期の純貸倒損失費用は6億9400万ドル。スイス部門を除くすべての部門が、新型コロナの流行に伴う利益を計上した。

第4・四半期は、ウェルス・マネジメント部門が22%の増益。融資が増えたほか、取引が引き続き高水準だったことが寄与し、低金利の影響を相殺した。

富裕層からの新規の顧客資金流入は211億ドル。同部門の投資資産は3兆ドルに増加した。

一方、投資銀行部門は、第4・四半期の税引き前利益が5億2900万ドルと、前年同期の赤字から黒字転換した。トレーディング業務とアドバイザリー業務が2桁の増収を記録。コスト削減も寄与した。

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