(ブルームバーグ): 米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントは25日、共同創業者のレオン・ブラック氏が7月31日までに最高経営責任者(CEO)のポストからを退くと発表した。

発表資料によれば、後任はブラック氏側近のマーク・ローワン氏。ブラック氏(69)は会長職にとどまる。

アポロはこの日、性犯罪で起訴され勾留中に死亡したジェフリー・エプスタイン元被告とブラック氏との仕事上の関わりに関する外部調査が完了したと発表し、結果を公表した。ブラック氏は税金や相続計画、慈善活動などの金銭的問題についてエプスタイン元被告から助言を受けていた。

調査を委託した法律事務所デカートの報告書によれば、アポロがエプスタイン元被告からサービスを提供されたことも、同社が運用するファンドに同元被告が投資したこともなかったことが判明。ブラック氏がエプスタイン元被告の犯罪に何らかの形で関与した証拠も見つからなかったという。ただ、2012-17年にブラック氏が同元被告に支払った額は1億5800万ドル(現在の為替レートで約164億円)と、これまでに分かっていた金額を上回った。

ここ数カ月、ブラック氏のエプスタイン元被告とのつながりが相次いで発覚したことで、同氏の判断力を疑問視する顧客も出ていた。

アポロの資金調達に影響、共同創業者とエプスタイン元被告との関係

アポロはコーポレートガバナンス(企業統治)の強化に向け、エイビス・パートナーズの創業者パメラ・ジョイナー氏ら2人を新たに社外取締役に起用。さらに、「1株1議決権」制度を導入し、株主の議決権を経済的利益により連動しやすくすると表明した。

原題:Black Cedes Apollo Reins to Rowan in Wake of Epstein Scandal(抜粋)

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