(ブルームバーグ): 東芝株が約3年半ぶりの上昇率で反発している。米原子力発電事業の失敗から脱却し、東証1部市場への復帰が決まったことを受け、指数取引で増加する株式需要やそれを期待した買いが先行している。

株価は一時前週末比16%高の3445円と2017年7月18日(22%高)以来の日中上昇率を記録、昨年8月26日以来の高値となった。午前終値は15%高の3420円。東京証券取引所は22日、現在2部市場に上場する東芝を29日付で1部市場に指定すると発表した。約3年半ぶりの復帰となる。

ジェフリーズ証券アナリストのアツール・ゴヤール氏はTOPIX(東証株価指数)への組み入れ需要は2段階となり、2月25日に約16日分の売買に相当する3327万株の買い需要があると試算。4月28日には5.4日分の1109万株の需要が発生するとみている。

東芝は米国の原発事業の失敗で債務超過に陥ったことなどから2017年8月に東証1部から2部に降格した。その後、メモリー事業の売却など財務体質の改善を図り、昨年4月に東証と名古屋証券取引所1部市場への指定を申請していた。

同社の今期(21年3月期)業績計画は、デバイス&ストレージ分野などを中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、営業利益が前期比16%減の1100億円になると見込んでいる。

 

(午前の株価終値を追加しました。日中上昇率を訂正済みです)

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