[ワシントン 22日 ロイター] - 米上院のシューマー民主党院内総務は22日、トランプ前大統領に対する弾劾裁判を2月8日の週に開始すると明らかにした。当初の予定より2週間遅らせることで共和党と合意した。これにより上院はバイデン政権の政策審議や閣僚人事の承認手続きのための時間を確保する。

シューマー氏はトランプ氏に対する弾劾決議(起訴状に相当)が25日に上院へ送付されると述べた。共和党のマコネル上院院内総務は歓迎する意向を示した。

上院の規則によると、弾劾裁判は弾劾決議が上院に送付された翌日(日曜日を除く)の午後1時から開始されることになっている。

シューマー氏は弾劾裁判の開始を遅らせることにより上院はバイデン大統領が指名した閣僚の承認採決などの重要な責務を速やかに果たせるほか、下院の訴追委員とトランプ氏の弁護団は裁判に備える時間的余裕が得られると指摘した。

議会で「この間に上院は閣僚の指名や新型コロナウイルス救済法案など国民のための他の懸案事項に引き続き対処する。同法案は新型コロナに苦しんでいる何百万人もの国民を救済する」と述べた。

マコネル氏の報道官は民主党がトランプ氏の弁護団により多くの準備期間を与えたことを共和党議員は喜んでいると述べ、弾劾裁判が2月9日にも始まる可能性があるとの見方を示した。

現在の予定では下院の訴追委員が訴追理由を説明する準備書面を提出し、トランプ氏側が2月2日にこれに対する反論書面を出す。8日に双方の冒頭陳述が行われる。

トランプ氏の命運はマコネル氏が握っているとみられている。マコネル氏は19日、今月6日に起きた連邦議会議事堂の乱入事件はトランプ氏が誘発したものと非難した。

ホワイトハウスのサキ報道官は記者団に対し、上院が弾劾裁判とバイデン大統領が進める1兆9000億ドル規模の景気対策法案などの審議を同時に進めることは可能とした上で、「現在の危機時に国民を救済するバイデン大統領の提案は、このプロセスにおいて遅らせることができない」と強調した。

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