[東京 21日 ロイター] - 日銀が21日に発表した「主要銀行貸出動向アンケート調査」(四半期ごと公表)の1月調査では、企業向けの資金需要が「増加」したとの回答から「減少」を指し引いた指数(DI)がマイナス5となった。前回のプラス14から大幅低下し、2011年7月調査以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年春に厚めに手元資金を調達していたことで資金需要が後退した。ただ、政府は再び緊急事態宣言を発出。先行きDIはプラス12と前回のプラス9から上昇し、再び資金需要が高まる見通しとなっている。

調査の回答期間は20年12月9日から21年1月12日で、50の銀行、信用金庫が対象。

企業の規模別では、全規模で資金需要が低下した。特に中小企業はプラス1と前回のプラス24から大幅に低下した。

個人向けの資金需要は前回のプラス3からプラス12に上昇。過去3カ月間を見た場合、コロナの感染第3波が来る前ということもあり、個人の資金需要が回復した。住宅ローンがプラス7からプラス14に改善。消費者ローンもマイナス13からプラス3に改善した。住宅ローンは14年4月調査以来、消費者ローンは19年7月以来の高水準。

企業向けとは対照的に、先行きDIはマイナス6と前回のゼロから低下。感染拡大が続き、個人の資金需要は再び後退するとみられている。

*見出しを修正ししました。

(和田崇彦)