[北京 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、ノンバンク決済業界での独占禁止に向けた規制強化を提案した。

それによると、人民銀は国務院の独占禁止委員会に対し、企業による独占的地位の乱用を止めるよう勧告することが可能になるほか、「決済サービス市場の健全な発展を著しく阻害する」場合にはノンバンク決済事業者を分割できるようになる。

調査会社のアイリサーチによると、中国で認可されたノンバンク決済事業者は現時点で233社だが、オンライン取引では中国の金融会社アント・グループの電子決済サービス「アリペイ(支付宝)」とインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の「ウィーチャットペイ(微信支付)」が独占しているという。

清華大学国家戦略研究院の研究者、Liu Xu氏は「金融業界は情報技術への依存度が高まっており、この分野における独占禁止への取り組みを強化する必要性が強まっている」と述べた。

人民銀は、ノンバンク決済事業者1社の市場シェアが全体の3分の1に達した場合や2社合計の市場シェアが全体の半分に達した場合に事業者らと協議を行う。

また、オンライン決済などを含む全体的な電子決済において、1社の市場シェアが半分以上になった場合は独占と判断する。

ノンバンク決済事業者が人民銀の反マネーロンダリング(資金洗浄)および反テロリズムを巡る要件を満たすことも義務付ける。重大な違反があれば、認可を取り消すことも可能になる。

アントとテンセントは現時点でコメント要請に応じていない。