[フランクフルト/パリ 19日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は19日、ドイツ経済について、新型コロナウイルス禍で倒産に追い込まれた企業の約1割が引き続き政府支援を受けており、支援が打ち切られた場合、倒産がさらに増え、銀行に悪影響を及ぼす恐れがあるという見解を示した。

報告書では、宿泊や飲食業への打撃が最も大きく、国の支援がなければ融資の3分の1近くが返済不能に陥っていた可能性もあると指摘。特に地域貯蓄銀行からの借り入れが多い中小零細企業への支援が停止した場合、倒産は跳ね上がる恐れがあるとし、信用リスクの蓄積を注意深く監視する必要があると述べた。

対独ミッションチーフを務めるシェカール・アヤール氏は、ドイツが必要に応じて借り入れを増やせるとする一方、時短勤務(クルツアルバイト)制度に伴う給付が撤回されれば「多くの痛み」が生じるため、「微妙なバランス調整」が必要と訴えた。

国内の受給者は昨年4月時点で600万人に達し、年末にかけてもなお約200万人が給付対象だった。  

フランス経済については、2020年が9%縮小する一方、21年は5.5%のプラス成長になると予想。ただ、コロナ禍で企業のバランスシートが逼迫しているほか、高い失業率が経済活動を圧迫するため、景気が回復してもコロナ前の水準には届かない見込みとした。

対仏ミッションチーフを務めるジェフリー・フランクス氏は、「債務が高水準に膨らんでいることから、今こそ信頼できる中期的な財政健全化計画を策定し、承認するときだと考えられる」と述べた。