[シドニー 19日 ロイター] - 豪州の主要金融機関のエコノミストは、中央銀行に当たるオーストラリア準備銀行(RBA)が1000億豪ドル(770億5000万米ドル)規模の国債買い入れプログラムを4月以降も延長すると予想、早ければ来月にもガイダンスが変更されると見込む。

中銀は昨年、30年ぶりにリセッション(景気後退)に陥った豪経済を下支えするため、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.1%に引き下げ、量的緩和策(QE)を初めて導入した。

ナショナル・オーストラリア銀行(NBA)は中銀が失業率を現在の約7%から5%に改善させるためにQEを500億豪ドル増額し、6カ月延長すると予想。

コモンウェルス銀行とオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)などの主要行も延長を見込む。

NBAのチーフエコノミスト、アラン・オスター氏はリポートで「見通しは改善したが、(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的大流行)が経済に大きな打撃を与えたことに変わりはなく、異例の緩和策が正当化される」と指摘した。

RBAは流通市場での国債買い入れを通じて3年債利回りを低く誘導する「イールドカーブ・コントロール(YCC)」も導入しており、少なくとも3年は政策金利の引き上げを見込まないとするガイダンスも出している。

オスター氏は「景気回復が進めばRBAは現在のスタンスが維持できなくなるだろう。そうなるのは2021年半ば前後となる見通しだ」とした。

エコノミストはRBAが3年債利回りの目標を6月までに完全に廃止するか引き上げると予想。

CBAのエコノミスト、スティーブン・ハルマリック氏は同社の失業率予想に基づくと3年債利回り目標の廃止か引き上げが「2021年半ばまでに起きる可能性がある」と述べた。

RBAは今年最初の理事会を2月2日に開く。