[16日 ロイター] - カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシオン・クシュタールは仏小売大手カルフールへの買収提案を取り下げた。仏政府が食料安全保障を理由に反対したため。両社は16日に共同発表文を出し、提携を模索する考えを示した。

フランスのルメール財務相は15日にクシュタールの創業者で会長のアラン・ブシャール氏と協議を行い、「フランスにとって食料安全保障は国家戦略に関わるため、国内の小売大手を売り渡すことはしない。この案に賛成しないというのが私の非常に明確な回答だ」と述べていた。

クシュタールは今月、1株当たり20ユーロでの買収を提案。買収規模は162億ユーロ(195億7000万ドル)になるとみられていた。

ただ、両社は協議を継続し、燃料購入で協力したり、プライベートブランドや流通網の重複部分での提携を探る考えを表明。

クシュタールのブライアン・ハンナッシュ最高経営責任者(CEO)は、提携が検討されている分野について、同社の中核事業であるコンビニエンスストアおよび燃料小売りの強化を目指す計画に整合的だと述べた。

カナダのエング国際貿易相はツイッターに、クシュタールによるカルフール買収の取り下げは「残念」だが、提携模索のニュースには「勇気付けられる」と投稿した。

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